どこかで誰かが…

「おかげで岡田の野郎に、気合いが足んねーとか、女子を見習えとか言われて、とんだとばっちり食らったぜ!」

「なによ!その言われようの方が、とんだとばっちりなんだけど、あたし達。」

「女子の甲高い声に対抗できるかっつーの!…で、何があったの?何をそんなに浮かれてるワケ?」

「別に…佳菜子が張り切ってたから、なんか私もつられたの!」

「え?私?」

「だって今日の佳菜子、絶好調だったじゃん!」

「そーかな?…だとしたら、ゆっこちゃんのおかげだよ!」

「あたし?!」

「うん。さっきの、魔法の言葉のおかげ!」

「なんだよソレ!俺にも聞かせろよ!」

「あたし何言ったっけ?覚えてないんだけど。」

「俺、今、3ポイント入らなくてよぉ!スランプ抜け出してーんだよ!頼む!」

「知るかっ!そんなこと…」


と、ゆっこに相手にされないと、

「なぁ堀口!何て言われた?その魔法の言葉ってヤツを俺にも言ってくれ!」

突然、腕を掴まれ、

「え、あ、自信!自信を持て!って…」

驚きのあまり、答えていた佳菜子。


「…え?…」

「だから、自信を持てって」

「はい…はいはい!俺、自信持っちゃいまーす!」

「あー、言った言った。佳菜子に言ったねぇ、あたし!」

「…マジで俺、自信がついた気がするよ!」

「…高木…あんた単純すぎ!」