「沙羅何やってんの!入学式に遅れるんでしょ?!早く行かないと知らないよ?」

前を歩いていた海が私と同じような事を言った。

海には言われたくない!

「ゴッメン!今行く!」

微妙に顔を引きつらせながら沙羅は走った。

「…アンタ今私には言われたくないって思わなかった?」


う、海には敵わないな…
まぁ、喧嘩は私の方が上だけど♪

私達には秘密がある。

「…沙羅…学校では素を出すなよ…?」

海が少し睨みながら言った。

だから怖くないって

「はいはい分かってますよ本当に海は心配性だなぁ
大丈夫だってもしうち等が族のもんだってばれてもチョットしめれば大丈夫だからさ」

そう私達は…
族の者です。

ただ族に入ってるだけじゃない。

私達はちょっとここらでは有名な龍宮の総長だ。
私が総長で海が副総長だ。
ちなみに2代目。
じゃぁなぜ龍崎じゃないのかって?
もちろん私が総長って事がばれないようにするためにだ。


私には兄貴と妹がいて、兄貴の純(ジュン)は龍崎組みの総長。
妹の綺羅(キラ)は海と同じく龍宮の副総長。

二人はかなり私が好きみたいで私がこの学園に入るって言ったら…
泣き出した…
何でそんなに心配なんだろう…。




その時私は知らなかったんだ。

君と出会って私の心の奥に閉まってあった最悪な記憶がまたよみがえる事を…