やっぱり…
「果歩、お前泣いてたのか」
一気に明るくなった部屋で、果歩の顔をじっと見つめた。
ああ、そうか…
せっかく落ち着きかけてた気持ちがまた、急激にざわめいていく。
「果歩…」
「…っ……」
どうして今まで気付かなかったんだろう。
ついさっき、エレベーターの中でいくらでも気付こうと思えば気付けたことなのに…
果歩の存在を確認することに精一杯で、ちゃんと表情まで見てやれなかった。
ていうより、見る余裕のかけらもなかった。
昼間、一度だけ聞かせてくれた明るい果歩の声に内心どこか安心しきっていたのかもしれない。
「ずっと泣かせてたのか…」
あれからずっと…
一人、この部屋で…



