甘い体温②・前編・


「…果歩?」



何かおかしい。


よそよそしい果歩の態度に何故か妙な胸のざわつきを覚えた。


思わず鍵から手を離し果歩の肩を掴もうとした瞬間、それを交わす様に果歩がスッと前に動いた。



「本当、ごめんね。なんかぼーっとしてたっていうか…次からなるべく気を付けるから」



やっぱり気まずそうに呟いた果歩。


俺の変わりに鍵を開けると、素早く中に入ろうとする。


相変わらず俯いたまま俺の方を見もせずに。



「ほら、早く入ろう」



スッと俺の横を通り過ぎる果歩の横顔。


その瞬間見えた表情。


遠ざかってく背中が何故かとても寂しそうに見えて、俺は思わずハッと果歩の腕を掴んでいた。