「なんか、いい匂いがする」


片手で腰を引き寄せ、もう片方の手で私の髪を指で絡めながら陽生がクスッと笑う。


首元に顔を寄せる陽生に思わずドキッとしてしまう。



「あ、うん、さっきまでアロマのお店に言ってたから、匂いがうつっちゃったのかも」


「…アロマ?あー…そっか、そうだったな、それで…お目当てのものはあったのか?」


「うん、陽生が教えてくれたものあったから、さっそく買ってきちゃった」


「そっか、それならよかった、また、後にでも試してみろよ、少しは効果あるかもよ」


「うん…そうしてみる」



笑顔を向けた私に陽生が優しく目を細める。


私の髪をくるくる指で遊びながら何故か何かを思い出したかのように呟いた。