「おい、沙希、そんな言い方はないだろ?しかもなんだその態度は」



そんな彼女の態度にすかさず陽生が言葉を返す。



「べーっつにぃ、だって、本当のことだからしょうがないでしょ」


「なんだって?」


「だって、この人邪魔なんだもん」



プイっと、陽生から顔を逸らした沙希が皿を置いて隣のリビング逃げ込もうとする。



「こら、待て、沙希、話はまだ終わってねーぞ」


「しーらない、私、ブラちゃんにご飯あげてこようっと」


「あ、おい、こら!」



バタン!と勢いよく扉が締められる。


あっという間にリビングに消えてしまった沙希に、陽生が呆れたようにため息を吐く。


フライパンを置き、やれやれといった感じで私を見た。



「ったく、ほんとあいつには困ったもんだな、ごめんな果歩、あんなのただのたわ言だから、気にするなよ」



そう言って、申し訳なさそうに私に近づく。


そのまま優しく抱き寄せられた。