「……どうしたの?」
キョトンと声をかけたけれど陽生からの返事はない。
それどころか無言のまま、何かを考えるようにじっと見つめてくる陽生に妙に胸がザワザワとした。
きゅ、急にどうしちゃったの?
ギュッと両手を握られてさらに落ちつかなる私。
「あの…時間が…」
ただならぬ陽生の様子に何故か嫌な緊張が駆け巡った頃。
陽生の手がさらに私の手を強く握り込み、グイっとそのまま引き寄せられた。
「なぁ、母親に会いたいか?」
予感的中。
その言葉に、よりいっそう胸のざわつきが大きくなったのは言うまでもなく。
「……えっ?」
「母親に会いたい?」
私の顔からは面白いぐらい笑顔が消えていくのが分かった。



