そう思いながらまた、陽生の肩に顔をピッタリくっつけた私だったけれど、やっぱり何処となく寂しさを感じていた。
思い浮かぶのはさっきの沙希と美佐子さんの姿。
あんなふうに真剣に怒ってもらえる沙希がほんの少し羨ましく思えた。
口は悪かったけれど、でも、とても真剣ですごく重みがある言葉だった。
沙希に対する愛情がしっかりと伝わってきて、胸がギュッとなったんだ。
私にはあんなふうに怒られた記憶なんて一つもない。
思い浮かぶのは私を見下ろす冷めた目つきと、うっとおしそうな表情だけ。
無関心。
出てくる言葉はそれ以外なにものでもない。
…って、今更こんなこと考えててもしょうがないか。
うん。そうだよ。くだらない。
私には母親はいない。
あんな人親なんかじゃない。
そうふっ切ったんだから…
そうだよ。
こんなこと考えるだけ自分が虚しくなるだけだ。



