「ん?何が」
だけどそんな私とは裏腹に、返ってきた返事はあっけらかんとしたものだった。
「何がって、さっき…」
さっきの出来事が頭の中でぐるぐると回る。
いくら頭に血が上ってたとはいえ、あんなふうに取りみだしちゃうなんて正直自分でも驚いている。
けっこう酷い暴言も吐いちゃったし、せっかくの話し合いを私がぶち壊しちゃったみたいでなんだか心苦しかった。
「別に、謝らなくていい」
だけどやっぱり聞こえてきたのは何でもないかのような笑い声で。
「…え?」
「間違ったこと言ったって思ってるのか?」
その言葉に思わず顔を上げる。
「思ってないんだろ?」
真っ直ぐ見つめられて、少し戸惑う。
それでもグラスを握りしめながら素直に頷いた私に、陽生は優しく目を細めてそっと肩を抱き寄せた。



