甘い体温②・前編・


「冗談じゃないわよ!ふざけるのもいい加減にしなさいよ!

人の命なんだと思ってるのよ!」



目を見開く沙希に容赦なく冷たい声を浴びせた。



「そんな投げやりにしか思えないなら、産むのなんてやめちゃいなさいよ!産まれてくる子供が可愛そうよ!」


「なっ…!」



口が勝手に動く。


苦しくて、苦しくて。


たまらず胸元をギュッと握り締めた。



だって。


だってこんなの……



「産まれたらそれで終わりじゃないのよ!」



ご飯だって食べるし、風邪だってひく。


しょうがないなんて、そんな簡単な言葉でかたずけてほしくない。



「そこからが本当の始まりなのに…」



そんな残酷な言葉なんて…


愛のない言葉なんて聞きたくなかった。