……たったそれだけの理由で?
「だ、だったらどうなのよ。だからってそんなのあんたに関係な……」
「ふざけないでよ!」
沙希をキッと睨みつけた。
何も悪びれもなく私を見る沙希に声を上げずにはいられなかったんだ。
その声に、陽生も美佐子さんも驚いたように私を見る。
それでももう、止まれなかった。
「しょうがなく産んで…それからどうするの?」
「えっ?」
「産まれたら…今度はしょうがないから仕方なく育てるつもり?」
こんなはずじゃなかったって、毎日後悔しながら。
冷たい目で見下ろすの?
あの、女のように……
「そこに愛情はないの?あんたの気持ちはないの?」
「おい、果歩」
言いながらふつふつと苛立ちが込み上げてくる。
慌てて立ち上がった陽生が私の肩を掴んだけれど、それを振り払うようにさらに足を前に踏み出した。



