「ママも、ちょっとづつ変わっていく自分の体も何もかも」
沙希が唇を噛み締めながら美佐子さんを見る。
「は?だからって…何も家から逃亡することはないでしょうが!」
美佐子さんが呆れたように息を吐く。
確かに、それで家出とかちょっと頓珍漢のような気がしないでもないけれど…
「ちゃんと正直に話してくれればこんな風に怒ったりはしなかったわよ」
「嘘つき…」
「あ?」
「そんなこと言って、絶対怒るじゃん。頭ごなしにさ!
だから最初にはる君に相談しようと思ったのに」
その言葉に美佐子さんの眉がピクッと動く。
一瞬また目つきが鋭くなった美佐子さんだったけれど、あえてグッとこらえるように髪の毛をかき上げた。
「まぁ、いいわ…。で、もう一度改めて聞く、この検査薬はあんたので間違いないのよね?」
再び手に持ったそれを付きつける美佐子さんに、沙希が涙を拭いながら頷く。
「相手の男には言ったの?」
「…まだ……」
「これから話すつもり?」
「わ、わかんない…」
「分かんないってあんた……」



