甘い体温②・前編・


「何でずっと黙ってたの」



その言葉にも何も答えず、ただ声を殺しながら涙を流す沙希。


なんとも痛々しい光景だ。


なんだかこっちまで怒られてる気分になってくる。


けれどそんな沙希に構うことなく、美佐子さんの目つきは鋭くなる一方で。



「沙希!泣いてちゃ分からないでしょう!言いたいことがあるならはっきり言いなさい!」


「……」


「沙希!」



さらに声を低くした美佐子さんに、沙希が体をすくませる。


そして、何故だか私も…



「だって…怖かったんだもん」


「え?」


「怖くてしょうがなかったんだもん」