「で、これは何なのよ、詳しく説明してもらいましょうか」
グイっとそのまま腕を掴んだ美佐子さんが、沙希をソファーに座らせる。
まさに、万事休すって言ったところだろうか?
完全に追い詰められた沙希は抵抗できるはずもなく、美佐子さんのなすがまま。
ビクビクと体を震わせて縮こまっている。
そんな様子にこっちまで何だか緊張が高まってくる。
何となく落ち着かず、とりあえずお茶でもだそうかと、動き出そうとした私の手をすかさず掴んだ陽生の手。
ビックリして振りかえると、何故かそこには否定の意味を込めて顔を横に振る陽生の姿があった。
「今は何もしなくていいから、つーか、何もしない方がいい」
小声で話す陽生。
「今は大人しくしてよう」
そう言われ、私は素直にうなずくと、陽生と一緒に少し離れた場所のソファーに腰かけた。
「言っとくけど、嘘やごまかしは通用しないからね」
腕を組み、仁王立ちで沙希を見下ろす美佐子さん。
その恐ろしさに、ポタリと沙希の瞳から涙がこぼれ落ちた。



