わんわん泣く沙希に、陽生が困ったように黙り込んでしまった。
眉間に皺を寄せたまま何度目かの深い息を吐き、やっぱりうな垂れる。
私はと言うと、そんな2人のやり取りを見ながら何も言葉にできず、ただ傍観するしかなくて…
「お願いだからまだママにはこのこと言わないで!」
「……」
「ね、はる君お願い、もう少し自分で考えたいの!」
泣きながら必死に訴える沙希。
っていうか、そんなにその人って怖い存在なの?
この沙希が、こんなに怯えてるなんて…
しかも陽生もそのことについて一切否定もしないし。
こんな難しそうな顔をする陽生を見るのも初めてだった。
結局、この日は沙希の容体が悪化してしまい、まともな話し合いができないままそれぞれベッドに入った。



