また、ぽろぽろと泣きだした沙希に、陽生が難しそうに顔を歪める。
なんだか私まで複雑な気持ちに襲われて、胸が苦しくなっていた。
まぁ、沙希の気持ちも分からなくはないけれど。
でも……
思わず隣の陽生の手をぎゅっと握り、横顔をみると何かを考えてるように沙希を見つめていた。
「じゃあ、美佐子さんには?」
その名前に沙希が体をビク付かせる。涙は止まるどころかよりいっそう激しさを増した。
「う…ママにもまだぁ…」
「はぁ…やっぱりそうか……」
あえて予想通りだったのか、陽生の呆れたようなため息が宙を舞った。
片手で目頭を押さえながら、なんとも言えない表情でうな垂れている。
「だから俺の所に来たのか」
「だって、他に相談できる人がいなかったんだもん。
それに、はる君だってよく知ってるでしょ?ママの怖さを…。言ったら最後、私どうなるか分かんない」
「だからってお前なぁ……」



