甘い体温②・前編・


う…っと顔を歪めた沙希が辛そうに口に手を当てる。


再びソファーにうずくまった沙希に、陽生が呆れたように背中をさすった。



「おい、これのどこが平気なんだ?…全然大丈夫じゃないだうが」



珍しく少し怒り口調の陽生。


やれやれといった感じで沙希を見る。



「だって…嫌なもんは嫌なんだもん。どうしても行きたくないの!」



それでもダダをこねる沙希。


ついには瞳からぽろぽろ涙を零し始めた沙希に、見かねた陽生が眉を寄せた。



「沙希?」


「検査なんかしなくても、原因は分かってるんだもん」


「えっ?」


「全部これのせいなんだもん」



そう言って、やっぱりう…っと苦しそうに表情を歪めた沙希が、何故かお腹に手を当てた。