甘い体温②・前編・


「よっぽど風邪だとは思うけど、一応念のために…な?だから沙希……」


「や、やだ!」



その言葉を聞いた瞬間、突然言葉を遮った沙希。


それはほんの一瞬の出来事で…



「えっ?」


「明日病院には行かない!」


「は?沙希お前何言って…」


「行かないったら、行かないの!」



そう言って勢いよく起き上った沙希に、私も陽生も思わず驚く。



「病院なんかに行かなくても平気だもん。大丈夫だもん」



沙希がギュッとタオルケットを握り締める。


両目に涙を浮かべながら、また苦しそうにゴホっと咳込んだ。