そして……
「きゃっ…」
「あっ、ごめんなさい」
病院を出る瞬間、すれ違いざま誰かとぶつかってしまい、思いっきり尻もちをついてしまった私。
「あの、大丈夫ですか?」
「いえ、こちらこそよそ見をしていたもので」
慌てたように手を差しのべられて、私はその手を掴む。
「……すみません。ありがとうございます」
そう言ってゆっくり立ち上がり、目の前の人物と向かい合った瞬間、あっと思わず声を漏らしてしまった。
だって、目の前のその人があまりにも綺麗だったから。
目は大きくクリックリで、ふさふさの睫毛。
手足も細くて驚くほど長いし。
ブランド物の鞄に、ブランド物の靴。
エレガントな衣服に包まれた姿があまりにさまになっていて。
まるで、モデル雑誌から抜け出てきたような女の人。
女の私から見ても思わず見とれてしまうほどだった。



