「はいはい、なーにいっちょ前に照れてんのよあんたは…」
そんな陽生を見て、またまた静香さんの突っ込みが炸裂する。
「デレデレしてるんじゃないわよ。ったく…。本当、果歩ちゃんのことになるとキャラが変わるんだから」
「っ、うるせーよ。お前だってさっき柄にもなく顔を赤くしてたじゃねーか」
人のこと言えるかよ。ってふて腐れながらも、私の手をぎゅっと握り返してくれた陽生が可愛くて、
また、笑いが止まらなくなってしまった。
ホッと空気全体が温かくなった気がしたんだ。
いいな、こういうの。
陽生がいて。
静香さんがいて。
大切な人達と、こんな風に穏やかに笑い合えるのって、本当に素敵なことだよね。
それでいて、とてもくすぐったいような…
2人のやり取りを見つめながら、本気でそう思えた私。
改めて人の温かさに触れたって感じで、もうこの上ないぐらい幸せな気分を感じていたんだ。



