「も…だからヤダってっば!」
笑いながら私の体を引き寄せようとした陽生の手を、私は慌てて振り払い、後ろに下がった。
「もうぜーったい、陽生とは一緒に入らないから!っていうか、しばらくしない!」
なんか悔しい…
無性に悔しい……
怒りが治まらなくて、私は頭にのっかったままのタオルを陽生に投げつけると素早く脱衣所を後にした。
もうサイテー!
ドアを閉める瞬間、やっぱり聞こえてきた陽生の笑い声に、私の怒りは治まるどころか激しく噴火する寸前だった。
そのままムッとした足取りでリビンに向かった私は勢いよくドアを開けようとして、ハッと思わず手を止めた。
途端思い浮かんだのは顔を真っ赤にして怒る沙希の姿。
また、何か罵声の一つでも飛んでくるんじゃないかと、なんとなく開けるのに躊躇してしまう。
でも…そうなったらそうなったまでか。
また何か言われたら言い返せばいいんだから!
そう思い、ドアを開けた瞬間飛び込んできた光景に私は思わず足を止めた。



