雲一つない秋晴れの空。


まるで、今の私の気持ちを表すかの様な軽やかな空気。



次の日の午後。


私は午前の講義を終え、スッキリとした面持ちで2人が待つ院長室の扉を開けていた。





「あら、よかったじゃない」



両手にマグカップを持った静香さんが嬉しそうに微笑む。


私の目の前にカップを置き、向かいのソファーに座る静香さんは今日も変わらず色っぽくて素敵。



「だいぶスッキリしたでしょ?」


「はい。おかげ様で。言いたいこと言ったらなんかスカッとしました」



私は昨日のことを思い返しながら、ニッコリと笑顔を返す。


今は午後の休憩中。


私はそれを見計らって、昨日の出来事を全て報告しに来たんだ。


母のことではだいぶ迷惑をかけちゃったしね。


静香さんにはお礼もかねて、ちゃんと話さなきゃと思ったから。