指きりげんまんと言うように子指を優の前に出すと、最初はためらってた優もすぐに覚悟を決めたように子指を絡めてくれた。
「…うん、分かった。約束ね」
「うん約束」
何かあったらいつでも優の助けになるからね。
お互い、泣きながらニッコリと指きりをすると、優は安心したように母の所に駆けて行った。
「…ごめんね、果歩」
優の後姿を見届けると、母が泣きながら私を見て言った。
顔はクシャクシャで、どっと老けこんでしまったようだった。
「別に…。今更謝られても困るし、ただ…、これだけははっきり言っておく」
そう言って私は自分の涙を拭い、その姿をしっかりと目に焼き付ける。
「私はまだ、あんたを許した訳じゃないから」
「えっ?」
「さすがにまだ、そこまでは大人になりきれない」
ギュッと手を握り、母から目を伏せた。
辛い言葉だけれど、
こればっかりはどうしようもない。
そう簡単に割り切れるほど、心に刻まれた傷はそんなに軽いものじゃないのだから。



