堪え切れず、その胸にすがりつくと、陽生の手が私の後頭部をくしゃくしゃと撫でてくれた。
優しいシトラスの香り。
大好きな陽生の匂い。
それがすごく心地よくて、「う…」と子供のように声をもらしてしまった。
「…お姉ちゃん……」
そんな時、服の端を引っ張られ、私は陽生から顔を離す。
優の手が、力いっぱい私を握りしめていて、泣きながら何かを言いたそうにしていた。
「お姉ちゃ……」
「優……」
何度も私を呼ぶ優に、私は再びしゃがみこみ、その小さな手を握りしめた。
「…一緒に、来てくれないの?」
優がとても悲しそうに涙をぽろぽろとこぼす。
「僕たちと家族になってくれないの?」
その、あまりに切なすぎる声に、私はたまらず優の体を抱きしめた。



