甘い体温②・前編・


いつの間にか、目の前が涙でぼやけて見えた。


気づいたら、ポタポタと瞳から涙が零れ落ちていたんだ。



あ、あれ。


もう泣かないって決めたのに。


次から次へと溢れてくる涙に戸惑いながら、私は咄嗟にそれを自分で拭う。


それでも止まらなくて。


もう一度、今度は両手で拭おうとした瞬間、その手は勢いよく掴まれ、グイっと優しく引き寄せられた。



あ…


と思った時には、いつもの心地いい大好きな胸の中にいた。


見上げると、間近に陽生の顔があって、


陽生は片手で私の腰を引き寄せると、もう片方の指で優しく涙をぬぐい、ふっと目を細めた。



「涙を拭うのは俺の役目だろ」


「はるっ…」



グイっと抱きしめられて、余計涙腺が壊れてく。


その笑顔が、「よく頑張ったな」って言ってるみたいで、もう我慢なんてできなかった。