甘い体温②・前編・


母が、目から涙をぽろぽろと零し始める。



「今更私のこと心配してる場合じゃないでしょ?」



そんな体で。


今にも倒れそうな状態で。



「そんなことを考える暇があったら、もっと今の家族に目を向けてあげなさいよ!

この子のために。優のためにも、1日も長く生きなさいよっ!」



言いながら、熱い感情が込み上げてくる。


熱い熱い、苦しいほどの感情が…




「お願いだから長く生きてよ!病気なんかに負けないでっ」




精いっぱいの声だった。


その場に泣き崩れる母をただただ祈るように見つめていた。



本当はもっとたくさん言いたいことがあったのに。


「ふざけんなっ」って、平手打ちの一つでもかまして、思いっきり嫌味の一つでも言ってやろうと思ってたのに。



どうしてか、出てきた言葉はこんな生ぬるいものだったんだ。