母が、目から涙をぽろぽろと零し始める。
「今更私のこと心配してる場合じゃないでしょ?」
そんな体で。
今にも倒れそうな状態で。
「そんなことを考える暇があったら、もっと今の家族に目を向けてあげなさいよ!
この子のために。優のためにも、1日も長く生きなさいよっ!」
言いながら、熱い感情が込み上げてくる。
熱い熱い、苦しいほどの感情が…
「お願いだから長く生きてよ!病気なんかに負けないでっ」
精いっぱいの声だった。
その場に泣き崩れる母をただただ祈るように見つめていた。
本当はもっとたくさん言いたいことがあったのに。
「ふざけんなっ」って、平手打ちの一つでもかまして、思いっきり嫌味の一つでも言ってやろうと思ってたのに。
どうしてか、出てきた言葉はこんな生ぬるいものだったんだ。



