甘い体温②・前編・


「だから行けない、私の居場所はそこじゃない」


「果歩…」


「それに…見つけたんでしょ?」


「えっ?」


「そっちだって、ちゃんと自分の居場所見つけたんでしょ?」



だから、そんな幸せそうな顔してるんでしょ?


そんなに穏やかな目をしてるんでしょ?


誠二さんがいて、優がいて。


本当の愛を知ったから、こんなに優しく笑うことができてるんだよね。



「だったらそれでいいじゃない。もう、これでお終い。

お互い過去に縛られるのはこれで終わりにしよう」


「果歩っ…」



本当はちゃんと分かってた。


母も寂しがってたことを。


ずっと苦しんでたことを。


一人で。夜中に泣いてるところを何度も何度も見てたから。



だから…




「大丈夫、私はちゃんと歩いて行ける。

私のことは気にしなくていいから、今は自分のことだけ考えてなさいよ!」