甘い体温②・前編・



……結局、流されてしまった。




「最悪……」



三月果歩一生の不覚。


それからしばらくしてお風呂から出た私は、思いっきりふくれっ面で脱衣所の隅に立っていた。



「まぁ、そう言うなって」



頭には柔らかい感触。


バサバサと音をたたせながら、タオルで私の髪の毛を拭く陽生がくすくす笑う。


納得がいかない私とは反対に、清々しい表情で私を見る陽生に余計苛立ちが増した。



「ムカツク…」


「そう?俺はめっちゃいい気分だけど?」


「もう、陽生とは一緒にお風呂入らない!」



プイっと顔を背けた私に、やっぱり陽生がくすくすと可笑しそうに笑った。



「何だよ…途中からけっこうその気だったくせに?」


「っ…!…それは……」


「ほら、機嫌直せって、そんな可愛い顔でふくれてるとまたここで襲うぞ」