甘い体温②・前編・


「私、今幸せなの」



「えっ…」


「すごく幸せなの」



そう言葉にすれば、不思議なぐらい心が軽くなっていた。


自分でも驚くほど穏やかな声だったと思う。


何もかもがふっきれて、なんのためらいなしに母に笑顔を向ける自分の声。



「今まで生きてきた中で一番幸せなの。……だから、一緒には住めない」


「果歩…」


「この先、それだけは絶対にない」



母の顔が一瞬にして曇ったのが分かる。


少し唐突な気がするけれど、でも…、これが私の本音だから。


私の今の素直な思いだから…