甘い体温②・前編・


こんな風にちゃんと向い合ったのっていつぶりだろう?


たぶん、記憶にほとんどないぐらい遠い昔の話し。


いや、ひょっとしたらこれが初めてなのかもしれないな。



「…起きてて、平気なの?」


「えっ…」


「なんか辛そうだから…」



私の言葉に、「ええ」と戸惑い気味に頷いた母をじっと見つめる。



……少し痩せた?


ううん。それだけじゃない。


こうしてちゃんと見ると、顔付きも、雰囲気も、昔とは何もかもが違って見える。


この前会った時よりも、やせ細った母に、病気と言う現実を改めて突きつけられたって感じがして、胸がチクッとした。




「ごめん、単刀直入に言うわ」



それでも。今の私に迷いはない。


もう、逃げないと決めたから…