「大丈夫。もう泣いたりしないよ。だから安心して」
私は優の頬撫で、安心させるように笑ってみせた。
もう、怖いという感情はなかった。
不思議なぐらい穏やかな気持で満ち溢れていた。
「これ、優がくれたから、元気半分もらったからもう大丈夫だよ」
「……本当?」
「うん、本当。だからちょっと優のママを私に貸してね」
そう言ってもう一度優を抱きしめた。
「大好きだよ、優…」
優が大好き。
たった一人の私の弟…
世の中に、こんなに可愛い存在に巡り合えるなんて思ってもみなかった。
「お姉ちゃ…」
優の体を離し、ゆっくりと姿勢を直した瞬間、ソファーに座る陽生と目が合った。
陽生はすぐに目を細め、優しく笑ってくれて、その笑顔にまた、胸が温かくなる。



