甘い体温②・前編・


「大丈夫。もう泣いたりしないよ。だから安心して」



私は優の頬撫で、安心させるように笑ってみせた。


もう、怖いという感情はなかった。


不思議なぐらい穏やかな気持で満ち溢れていた。



「これ、優がくれたから、元気半分もらったからもう大丈夫だよ」


「……本当?」


「うん、本当。だからちょっと優のママを私に貸してね」



そう言ってもう一度優を抱きしめた。



「大好きだよ、優…」



優が大好き。


たった一人の私の弟…


世の中に、こんなに可愛い存在に巡り合えるなんて思ってもみなかった。




「お姉ちゃ…」



優の体を離し、ゆっくりと姿勢を直した瞬間、ソファーに座る陽生と目が合った。


陽生はすぐに目を細め、優しく笑ってくれて、その笑顔にまた、胸が温かくなる。