「あっ、お姉ちゃん!」
優の驚いた声が耳に届く。
そしてバタバタと駆け寄って来る小さな足音。
「お姉…ちゃん」
顔を覆ったっまま体を震わせる私に、優の悲しそうな声がかけられる。
「さっきは…ごめんね」
そう言って私の顔を覗き込んみ、何故かごそごそとポケットから何かを取り出した。
「これ…あげる。僕の宝物」
「えっ…」
手を掴まれて、ゆっくり顔をあげると、目の前に差し出された小さなぬいぐるみ。
「これ、ママが作ってくれたお守りなの」
「っ……お守り?」
見ると、それは真ん中に顔が描かれただけの丸くシンプルに型どられた、手造りのキャラクタ―。
涙でぼやけてはっきりとは分からなかったけれど。
……アンパンマン?
に似たそれは、お世辞にも可愛いとはほど遠いものだった。



