甘い体温②・前編・


「あっ、お姉ちゃん!」



優の驚いた声が耳に届く。


そしてバタバタと駆け寄って来る小さな足音。



「お姉…ちゃん」



顔を覆ったっまま体を震わせる私に、優の悲しそうな声がかけられる。



「さっきは…ごめんね」



そう言って私の顔を覗き込んみ、何故かごそごそとポケットから何かを取り出した。



「これ…あげる。僕の宝物」


「えっ…」



手を掴まれて、ゆっくり顔をあげると、目の前に差し出された小さなぬいぐるみ。



「これ、ママが作ってくれたお守りなの」


「っ……お守り?」



見ると、それは真ん中に顔が描かれただけの丸くシンプルに型どられた、手造りのキャラクタ―。


涙でぼやけてはっきりとは分からなかったけれど。



……アンパンマン?


に似たそれは、お世辞にも可愛いとはほど遠いものだった。