甘い体温②・前編・


「それってダメなこと?やっぱりお姉ちゃんは嫌なのかな?僕たちと一緒はやなの?

僕が、こんなだから…、僕がお姉ちゃんを困らせちゃったから?」


「優くん…」



陽生の声と共に、切なさが胸いっぱいに広がっていく。


ゆらゆらと、目の前が歪んで、どうしようもなく押しつぶされそうだ。



違う。


違うよ。


優のせいなんかじゃない。


そう言葉にしたかったのに、出てきたのは頬に流れる一粒の涙。


優しくて、心地いい、とても幸せな涙だった。




「うっ…」



声を上げ、その場にしゃがみ込んでしまった私に、陽生と優が驚いたように振り返る。


私は両手で顔を覆い、ただただ肩を震わせた。



何も、言葉にならなくて。


ただ、苦しい。


切なくて、嬉しい。


温かい感情が零れ落ちてくる――…