甘い体温②・前編・


「ねぇ、どうしたらいい?僕、お姉ちゃんともっと仲良くしたいのに…」



涙交じりに呟く優に、陽生がそっと頭を撫でる。


表情まではよく分からないけれど、きっと、いつも私に向けてくれるような優しい笑みなんだと思う。



「優君はそんなにお姉ちゃんが好きなの?」


「うん、大好き」



泣きながら答える優に、陽生がフッと笑う気配。



「僕ね、ママからお姉ちゃんが僕の本当のお姉ちゃん何だよって聞いた時、すごく嬉しかったんだ」


「うん」


「それって、お姉ちゃんとこれからもずっと一緒にいられるってことでしょう?もっともっとお姉ちゃんと仲良くなれるってことだよね?」



優はズズッと鼻をすすり、ゆっくりと頭を上げた。



「僕、お姉ちゃんと家族になりたいんだ」



えっ…



「お姉ちゃんとずっとずっと一緒にいたいの」



優……