「ねぇ…お姉ちゃんはママと僕が嫌いなの?」
……えっ。
その声に、ドクンと心臓が飛び跳ねる。
「ん、どうして?」
「だって、ママのこと話すとすごく悲しそうな顔するんだもん。この前もね、お外で会った時、お姉ちゃんいっぱい泣いてたんだ」
ソファーから、優の頭が寂しそうに俯く。
きっとコンビニでばったり会った時のことを思い出してるんだ。
「さっきだって、僕が無理矢理手を引っ張ったから、お姉ちゃん怒っちゃったんだよね?」
ぐずっと鼻をすする音が響く。
「どうしよう…もう、お姉ちゃん僕のこと嫌いになっちゃったのかな」
すごく寂しそうな声だった。
優、ひょっとして泣いてるの?



