甘い体温②・前編・


それでも必死に涙を拭い。


どうにか落ち着きを取り戻した私は、多少の罪悪感を抱えたままトイレからノソリと顔を出した。


さすがにこのまま閉じこもってるわけにもいかないし…



そうだ。お詫びのしるしに優にジュースでも買っていってあげようかな。


正直、今の私にはこれぐらいのことしか思いつかない。



「ごめんね、優…」



そう呟き、自販機を探そうと談話室へと向かった時だった。



「ねぇ、先生?」



突然優の声が聞こえ、私はハッと足を止めた。



やけに静かな談話室。


周りには他に誰もいない。



見ると、そこには私に背を向けるようにして、優と陽生がソファーに座って何かを話していた。