甘い体温②・前編・


「お姉…ちゃ……」


「あ…優ごめ……」



今にも泣きそうなった優に心底罪悪感が込み上げる。


何やてるんだろう私…


緊迫した空気に、余計優から笑顔が消えていく…


振り払った手がジンジンと熱い。


どうしよう…


気のきいた言葉の一つも出てきてはくれない。



「ごめん。私ちょっとトイレ…」



そう言って、逃げるようにその場から駆けだした。



「おい、果歩っ」




―――…最低だ、私。


そう何度も呟いて、そのままトイレにかけ込んだ。