甘い体温②・前編・


「それならもう大丈夫だよ」


「えっ?」



突然言葉を遮ぎった優が、何故か私の手をぎゅっと掴んだ。



「ママならもう元気にったよ」


「…えっ?」


「今日1日ここで寝んねしたらお家に帰れるんだって」



無邪気に私の手を揺らす優の笑顔。


どうしてか、胸がざわざわとしてズキンと苦しくなった。




「えっ、そうなんですか?」


「ええ。今回は本当にちょっと風邪をこじらせただけみたいで、特に大事にはいたらずホッとしていたところなんです」


「そう…ですか。それならよかった」



陽生も安心したように笑みを向ける。



「ねぇ、お姉ちゃんママの所に行こう」


「えっ…」


「お姉ちゃん来てくれたらきっとママも喜ぶよ」