「それならもう大丈夫だよ」
「えっ?」
突然言葉を遮ぎった優が、何故か私の手をぎゅっと掴んだ。
「ママならもう元気にったよ」
「…えっ?」
「今日1日ここで寝んねしたらお家に帰れるんだって」
無邪気に私の手を揺らす優の笑顔。
どうしてか、胸がざわざわとしてズキンと苦しくなった。
「えっ、そうなんですか?」
「ええ。今回は本当にちょっと風邪をこじらせただけみたいで、特に大事にはいたらずホッとしていたところなんです」
「そう…ですか。それならよかった」
陽生も安心したように笑みを向ける。
「ねぇ、お姉ちゃんママの所に行こう」
「えっ…」
「お姉ちゃん来てくれたらきっとママも喜ぶよ」



