「確か…果歩ちゃん、でよかったよね?」
ゆっくりと顔を上げたお父さんが、私の方にも視線を向けた。
その瞬間視線が重なり、ドクンと鼓動が大きく鳴った。
「あ…はい」
思わず身構えてしまった私を見て、複雑そうに眉を下げたお父さん。
「急にこんなことになってしまって申し訳なかったね。驚いたでしょう。きっとすごく困惑されたんじゃないのかな」
「あー…いえ…」
ドクドクと、嫌な緊張ばかりが押し寄せてくる。
どう反応しらいいのか分からず俯いてしまった私を見て、陽生がフォローするように私の頭に手を置いた。
「すみません。それで、早奈江さんの容体はどうなんですか?今朝急に倒れられたと聞いていますが」
「ええ。そのことなんですが…」



