そう…だったんだ。 知らなかった… あっ、だからさっきからちらほらと、色んな視線を感じてたわけだ。 納得し、少し複雑な思いで陽生から視線を逸らした私。 そのまま1メートルぐらい進んだ頃、前方から今度は可愛らしい声が飛んできた。 「あっ、お姉ちゃん」 ドクン… その声に、思わず足が止まる。 私を見るなり嬉しそうに走ってくる男の子。 無邪気に私だけを見つめて一直線に駆け寄って来るその姿に、一気に緊張が駆け巡った。 ―――…優。