そして、その週の日曜日。
突然あの人が倒れたという連絡を受け、私と陽生は急いで車を走らせた。
向かった先はこの辺で一番大きい総合病院。
突然のことに訳が分からないまま車を降りようとした時、陽生に手をぎゅっと強く握リしめられた。
「果歩、大丈夫か?」
顔色を覗うようにして私を見つめてくる陽生。
私は戸惑いながら頷いた。
「あ、うん…」
「大丈夫。少し風邪をこじらせただけって聞いてるし、きっと大丈夫だから」
もう片方の手で陽生が私の頭を撫でる。
きっと今の私、ものすごく困惑した顔をしてるんだと思う。
はっきり言って動揺していた。
それでも。
陽生の「大丈夫」に少し冷静を取り戻した私は、ゆっくりとした足取りで病院の中へと足を進めた。