「好き……」 もう一度それを呟いた時にはもう止められなくなっていた。 気持ちに。 今までの思いに。 自分の本当の気持ちに… こんなの、認めたくなんてなかった。 だって、私を見ようともしなかった母。 自分のことしか考えてなかった母。 ずっど憎んでたはずなのに。 ずっと恨んでたはずなのに。 それでも、何故か嫌いにはなれなかったんだ。 あの時、作ってくれたカフェオレが忘れられない。 一度だけ… 私の額に手を当てて、穏やかな表情を浮かべたあの人の姿が脳裏に焼き付いて離れないんだ。