「今こうして振りかえってみるとさ。結構前から変だな…て思うようなことは多々あったんだ」
「……変?」
「時々夜が寝れないとか、体がだるいとか、やたら神経質に物事を感じ取ったりとかさ」
ふいに陽生が昔を思い出すかのように顔を上げた。
「それに、自殺する1年ぐらい前だったかな。やたら寝込みがちになったりして、あまり外にも出なくなったんだ。
…まぁ、でも元々そんなに体が強い人ではなかったから、俺的には風邪が長引いてるって感じにしかその時は思ってなかったんだけど…」
少し言葉を止めた陽生がコツンと、私の頭に頭をくっつけた。
「でも、ある日を境にそれが一気に酷くなっていってさ。
それ以来まるで別人のようにふさぎがちになって、終いには食事もあんまりとらなくなったんだ」
「えっ、それって…」
回された腕に力がこもる。
思わす後ろに振り向こうとした瞬間、それを遮るように陽生が静かに言った。



