私の鎖骨にポタポタとシャワーの水滴が陽生の髪を通して滴り落ちる。
ワックスが取れ、無造作に崩れ落ちた前髪が何ともいえないぐらい色っぽくて。
髪の隙間からキラリと光る陽生の瞳に、私の背中がゾクリとした。
「だ、だからそんなんじゃないって言ってるじゃない」
この雰囲気は…やばい。
危険を感じた私はたまらず陽生から顔を逸らし、押し返そうと抵抗を試みる。
だけど、陽生によってしっかり抱き込まれてしまった私には少しの隙間も逃げるすべはなくて…
「果歩照れてないでこっち向けよ。
ほら、今まで不安にさせた分今から俺が責任もって癒してやるから」
まずい…完全にスイッチが入ってる。
…なんで?
どうしていつも気づいたらこんなパターンにもってかれちゃうの?
陽生の思考回路が未だによく分からない。っていうか謎。
だけど、今更そんなこと思っても後の祭り。
それよりなんとかしてここは逃げなきゃ……
こんなモヤモヤとした気持ちのまま流されるのはなんか、嫌だ。



