甘い体温②・前編・


だってこんなことって…


突然付きつけられた内容に困惑せずにはいられない。



「……果歩?」



ああ、だからなんだ。


あの時、私を見てハッと驚いた顔をしてたのは全部知ってたからなんだ。


全部知った上で私を。だからあんな……


あの時の光景を思い出し、私は顔を曇らせる。


でも…




「……何よ、それ」


「えっ?」


「そんなの勝手だよ!」



戸惑いというよりも、むしろ腹が立った。


私は顔を歪ませたまま目の前の陽生を見据え。



「こんなの勝手すぎる!」



そう声を上げていた。


ふつふつと、込み上げてくる言いようのない怒り。



だってそうでしょ?


5年前、いらなくなったからって呆気なく捨てておいて。


自分の寿命が分かった途端、手の平返したようにまた一緒に暮らそうだなんて。


そんな都合のいい話しがあるわけない!