甘い体温②・前編・


「ごめんな。今の医学ではどうすることもしてやれない」



まるでドラマのワンシーンを見ているようだった。


どこか遠いところで、もう一人の自分がぼーっと他人事のように聞いてる感覚。


思わず手をぎゅっと握りしめると、陽生の手も同じように強く握り返してくれて。



「それでな。果歩」



私の手を強く握りしめた陽生が、少し言いにくそうに私を見る。



「一緒に暮らしたいって言ってるんだ」


「……えっ?」


「できるなら、少しの間だけでもいいから果歩と一緒に暮らしたいって。そう言ってるんだけど、果歩はどうしたい?」



「えっ……」



衝撃だった。


たぶん、下手したらこれが今日一番の驚きなんじゃないだろうか。


唖然と言葉を無くした私と、少し複雑そうに私を見る陽生。


見つめ合ったまま、指先一つ動かすことができなかった。



だって…