甘い体温②・前編・


「ごめんな。こんな唐突にしか言ってやれなくて」



私の両手を掴み、今度は陽生がベンチの下にしゃがみこむ。


その顔は、すごく心配そうに私を気遣ってくれてる様子だった。



「ううん。こっちの方こそごめん。何か変な気を使わせちゃたみたいで」



ここに来るまでの間、陽生も陽生なりにずっと辛かったんじゃないのかな。


きっと、告げる方だって苦しいに決まってる。



「いや、別に俺は…」


「ほんと、ごめんね」



そんな陽生を見下ろしながら、私は申し訳なく言った。


それでも、以外にも冷静に受け答えしている自分に少しホッとしていた。



ううん。


ていうより、正直まだ半信半疑って言った方のがいいのかもしれない。


だって、



「ねぇ、でも本当にあの人がそんなこと言ったの?」



やっぱりまだ信じられない。


確かに、少し痩せたなとは思った。雰囲気だって弱々しいとも思った。


けどまさか、


まさか後半年の命だなんて、とてもそんなふうには見えなかったから。