甘い体温②・前編・


「ねぇ、もうちょっと前で景色見てもいい」



そう言って陽生の方へ振り向くと、すぐにスッと回された腕が外された。



「ああ、いいよ。でも、危ないからあんまり身を乗り出すなよ。落っこちるぞ」


「うん。分かってるって」



クスッと笑って私は前の方に駆けだした。


やばい!本当にすごすぎるっ!


てか、めちゃめちゃ高いし!


そっと下を覗き込みながら、驚く私。


町の明かりがあんなに小さく見えて、すごく神秘的。


あ、でも、陽生の言う通り、ここは柵もなんにもないみたいだからちゃんと注意しなきゃだね。




う~ん。


思わず伸びをしながら私は空を見上げた。


しっかし、いつのまにこんなに高い所まで登ってきたんだろう。


目の前に広がる夜空を見つめながらふと考える。


そういえば、さっきの気味の悪い階段もけっこうな距離があったよね?


ここっていわゆる高台って所なんだろうか?



ドキドキする気持ちをこれでもかってぐらい感じながら、私はくるっと後ろに振り向いた。