「ねぇ、もうちょっと前で景色見てもいい」
そう言って陽生の方へ振り向くと、すぐにスッと回された腕が外された。
「ああ、いいよ。でも、危ないからあんまり身を乗り出すなよ。落っこちるぞ」
「うん。分かってるって」
クスッと笑って私は前の方に駆けだした。
やばい!本当にすごすぎるっ!
てか、めちゃめちゃ高いし!
そっと下を覗き込みながら、驚く私。
町の明かりがあんなに小さく見えて、すごく神秘的。
あ、でも、陽生の言う通り、ここは柵もなんにもないみたいだからちゃんと注意しなきゃだね。
う~ん。
思わず伸びをしながら私は空を見上げた。
しっかし、いつのまにこんなに高い所まで登ってきたんだろう。
目の前に広がる夜空を見つめながらふと考える。
そういえば、さっきの気味の悪い階段もけっこうな距離があったよね?
ここっていわゆる高台って所なんだろうか?
ドキドキする気持ちをこれでもかってぐらい感じながら、私はくるっと後ろに振り向いた。



