病院を出て車に乗り込むとすぐ、陽生は私の方を見ながらエンジンをかけた。
「お腹すいたか?」
「えっ?」
そう言えば、昼から何も食べてないような…
でも、正直それどころじゃなかったから。
「あ、うん。少し…」
何となくお腹に手を当てた。
戸惑い気味に答えると、陽生は分かった。と言ってすぐに車を発進させた。
無言のまま、また前だけを見て…
そして着いたところは意外や意外。ハンバーガーが有名なファーストフード店。
陽生は何の迷いなくそこにドライブスルーすると、再び私の方を見てこう言った。
「悪い、とりあえず今日はここでもいいか?」
「えっ、うん」
「何でもいいから好きなもん頼めよ。どれがいい?」
「えっと、じゃあ……」
はっきり言って驚いた。
陽生でもこんなところ来るんだ。
ていうより、こういうお手軽な物も食べるんだって。
だって、似合わない。
今までいろんなところに食べに連れて行ってもらったけれど、正直こういうお店は初めてだったから。



