「あっそ、分かったわよ。なら好きにしなさい。私は止めないから」
そう言って、呆れたように顔を緩めた静香さん。
どことなく状況を把握したって様子で陽生から私へと視線を移す。
「そういうことだから、焼き肉はまた今度ね。それでいいかしら」
「あ、はい…」
もはや頷くしかなかった。
さすがにこんな状況の中で嫌とは言えないよね。
妙な緊張に包まれながら頷くと、陽生が突然私の手を掴んだ。
「じゃあ、そろそろ行くぞ」
「…へっ?」
「サンキューな静香。この埋め合わせはまたするから」
グイっと手を引かれ、私は強制的にベッドから下ろされる。
一瞬よろけそうになったけれど、そんなのお構いなしで前に進むしかなかった。
「え、あの、えっ?」
前を向いたまま陽生は何も答えてはくれない。
チラッと後ろを向けば、静香さんがやれやれと言った感じで手を振っていた。
……陽生?



